アポトーシス
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うららかな春、
みごとな薄桃色の花を枝いっぱいにひらめかせていた桜の木も、
長くなった夜と、そのとばりを吹き抜ける冷たい風に押し切られるように、
赤くなった葉を枝から散らす。
神社の玉砂利は、ほどなく錦彩のじゅうたんで敷き詰められるだろう。

アポトーシス。

個体をよりよい状態に保つための、細胞の自殺。

落葉は、次の春に命をつなげるための、植物が行う自己破壊のプログラムである。
木々は葉を落とすことによって放出されるエネルギーを抑え、
次世代への子孫を育む新しい寝床のために冬眠に入る。
アポトーシスが行われるのは、植物の体だけではない。
動物の体内でも、確実にそれは起こり、日々新しい細胞と入れ替わる。
そういう生と死が混沌と溶け合う中で、私たちは命を保っている。

紅葉に命の最後のきらめきを見、
落葉にその終わりを投影してうっすらと哀しさを覚えるのは、
私たちの内側で起こっているから目に見えない、
でも確実に訪れる個体としての終末を、
木々の四季の営みに感じるからなのかもしれない。

アポトーシス。

次世代に続く終わり。
だからこそ美しい、と、
心から思える日が来るのだろうか。

深まる秋の中で、燃え上がるように呼吸する葉を、
ただ、眺めている。
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# by nasuka00 | 2006-11-09 14:17 | essay
キケンなもの
自転車通勤で気付いたキケンなモノ。

突然交差点を曲がってくる車。
歩道のど真ん中をわがもの顔で歩くご年配の方。
2列3列で並列走行している高校生。

そして何より・・・

夜、無灯火で右側走行してくる自転車!!

↑コレってマジ、正面衝突しそうになる。
絶対止めて欲しい。

車を運転しているときも思うけど、無灯火の自転車はすごく危ない。
こちらも自転車だと、ライトも車のように明るくないので、直前に来るまで気付かなかったりするのだ。道路を走行するもののマナーとして、少し早めに点灯するくらいの気遣いが欲しいものだ。近頃は、歩行者でも、買い物袋に自転車用の赤いLEDの点滅ライトを付けている人を見かける。なるほど、アイデアだなぁ、と感心してしまった。ドライバーに自分の存在を知らせることは、歩行者も運転者も、双方を守ることになる。自分ひとりの道ではないということを肝に銘じなければならないなぁ、とつくづく思った。これも自転車通勤の効果(笑)。
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# by nasuka00 | 2006-04-27 21:08 | bike
自転車教本
f0106839_90751.jpgAmazonの書評を見て購入したこの本。

『自転車トラブル解決ブック』・・・丹生隆志 著 山と渓谷社 1,029円

画像でもわかるとおり、とてもハンディなサイズだ。厚みもそんなにない。持って歩くにはもってこい。しかし、その小ささに似ず、内容はなかなかしっかりしている。手入れの仕方からパンクの直し方、乗車姿勢に至るまで、初心者としてとりあえず抑えておきたいことが写真入で網羅されている。スポーツバイクに限らず、普通に自転車を使うときにも知っておくと便利な情報がきちんと解説されている。

自転車は、あまりにも身近すぎて・・・お茶碗やコップ、テレビや電話と変わらないくらい日常に溶け込んでいるので、意識して「知ろう」とすることは少ないかもしれない。乗れて走れて、買い物に行ければそれでいい、っていうのが、一般ユーザーである私などのまさに一般的な認識なのである。テレビがどのようにして映像を映すのか、普段考えて見たりしない。テレビ各部の名称だって知らない。それでも使えるからだ。自転車もそれと一緒。

しかし、こうやって長距離サイクリングに出ようと思ったら、パンクはもちろん、ちょっとしたメンテナンス不足が重大な事故につながるかもしれない・・・と考えるようになる。トラブルに対処するためには、そのモノをよく知っておくに越したことはない。どの部品がどんな運動に必要なのか、それがわかっていれば、ある程度の処置はできるのではないかと思う。ただ、いきなり全部は覚えきらないので、基本的なことを紹介したこの手のマニュアル本は、シロウトには大変助かるのである。

私は結構パソコンが得意だが、使い始めはファイルとフォルダの区別さえつかなかった。それが、色々なトラブルに直面し、こうした本や、他人からの教えによって、徐々に知識を積み上げてきた。使えるようになると本当に楽しい。自転車だって、それと一緒なのかも。ともかく、パンクの修理くらいはできるようにならないとね(笑)
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# by nasuka00 | 2006-04-21 09:16 | goods
チューリップを目指して峠越え(笑)
f0106839_1574743.jpg桜が終わると、次はチューリップの季節。名所と言われるあちこちで、そろそろ見頃との情報が入ってきた。遅咲きの桜を見に、山の方へドライブ、という選択肢もあったが、やっぱり自転車に乗ろう!と決意。家から14キロほど西に向かった、島根県安来市伯太町へ。車では一度行ったことがあるが、交通量の多い国道を避けて、地図で調べた県道を行くことにした。だいたい方向はわかるのだが、昔はなかった自動車専用道路や、それにつながるバイパスなどもできていたりして、印刷しておいた地図を眺めながら位地確認。どうも、かなり山の中を行くことになるらしい。峠道に入る直前に見つけたこのおにぎりのようなきれいな三角形の山。昔から、形のよい三角の山は信仰の対象になったというから、さぞ名のある山に違いない。


f0106839_15273454.jpgここまではよかったのだが、この後の道はすごかった。歩道なんか当然なくなるし、民家もなくなるし、道はどんどん山奥へ・・・平面の地図では簡単そうに描いてあるのだが、どうしてどうして、なかなかのヒルクライム。車で走るとそんなにキツイと思わないのだが(当然か)、さすがに自力だとギアを軽くしていても辛い。ピーク手前ではついに自転車を降りて押していった。すれ違うのはトラックばかりで、人なんて歩いていない(これも当然か)。20センチほど段差のある歩道が申し訳程度につけられていたが、ブロックの隙間からかなりの丈の雑草が生え、手入れなんかされてないことは明らかである。歩行者や自転車が通ることなんて想定してないだろう~~!!??と突っ込みたくなった。


しかし、峠を登りきるとあとは下るだけ!「峠下」という地名があったので、きっとここまでだろう!と希望を抱きつつ坂を下った。快適なダウンヒル。周りはのんびりとした田畑で、時折畑作業の草刈器の音が響く。鶯が谷渡りを聴かせてくれる。花も終わりを告げた桜の木が、そここで柔らかな緑の葉を付けている。いいなぁ~・・・と思いつつのんびり自転車を走らせていたら、またまたヒルクライム!!!恐るべし県境の道!

f0106839_15475956.jpg最後の坂を下りきると、目の前にチューリップ畑が見えてきた。鮮やかな、色とりどりのチューリップ。見たとたんに疲れが消えた。

f0106839_1550251.jpg風車も回るチューリップ畑。ピンクのチューリップが可愛かった!


チューリップ畑にたたずむわがルイガノ。

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# by nasuka00 | 2006-04-18 15:51 | bike
ストーリーのある旅
幼少の頃は、遠足に行くだけでも楽しかった。
どこか違う場所に行くだけで、日常が変わるような気がしたし、普段は目にすることが出来ない珍しいものに出会えたりもした。こと現在ほど流通が発達していなかった頃は、年に数回行われる近所の神社の縁日で目にするおもちゃは珍しいものばかりだったし、高校生になって初めて東京に行った時は、雑貨から本から建物から田舎では見ることの出来ないモノだらけで、激しいカルチャーショックを受けたものだ。
しかし、新幹線が走り、高速道路が国中を網羅し、インターネットの光ファイバーが家から家へ駆け巡る現在となっては、どこにいても手に入らないものはなくなったしまった。だから、「買い物のために」都市部に行ったり、ただ景色を楽しむために何日も泊りがけで出かけたり・・・ということには、目新しさを見出せなくなった。

もともと、海外に行ってDuty Freeショップでブランド品をあさるとか、珍しいものを食べに行くとか、そういうことにはあまり興味がない。確かに、地元や日本で見られないような風景を見るのはすごく刺激になると思うけど、そこに至るまでの「ストーリー」が欲しいような気がするのだ。

だから、近頃出かけるときは、必ず「テーマ」を持つようにしている。
自分の中でストーリーを組み立てて、それに沿うようなコースを回る。
それは、シャガールを求めて美術館を巡ることであったり、
古代王国の盛衰を辿るものであったり、
芭蕉の句にある風景を描きに行くものであったり、
柿本人麻呂の人物像を探るものであったり、
春は桜、夏はひまわり、秋は紅葉、冬はスキー・・・などなどの四季の行事をテーマにすることもあるし、ただ、誰かに会いたくて出かける旅もある。

家に帰ったとき、心に残る旅というのは、テーマに沿ったストーリーがきちんとつむげていたものが多いような気がする。その方がまとまりがあって、覚えておきやすいのかもしれない。

昨年までNHKで放映していた、「列島縦断 鉄道の旅」シリーズは、そういう意味でストーリーに満ち溢れていた。日本全土のJR線を乗りつくすというテーマのもと、旅人・関口知宏さんが数ヶ月に渡る列車での旅に出かけるのだが、行く先々で出会う素朴で庶民的な人々や、彼らを囲むその土地の、どこにでもある日本の田舎の風景を、テレビという媒体がどこかノスタルジックに描き出す。旅人に選ばれた関口さんもとても多才な方で、旅のイメージを曲にする作業をしてみたり、日々の感動を絵日記に綴ったりと、彼の力がストーリーを呼び起こしたという感がなくもない。実際、現在放映している「東海道五十三次 街道てくてく旅」は、あまり面白くない(笑)

つまり、テーマもさることながら、旅のストーリーというのは、旅人の魅力に負うところが大きいのだな、と思う。旅が楽しい、楽しくないというのは、全て旅する本人がいかにそれを楽しもう、そしてそこから何かを得ようとするかにかかってくる、ということだろうか。自転車の旅は、直接自分の力が試される部分が大きいので、更にストーリーになり易いのかもしれない。受身でなく、自分から向かっていく姿勢が、きっと旅を実りあるものにするのだろう。
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# by nasuka00 | 2006-04-14 10:12 | tabi
散るさくら 残るさくらも 散るさくら
本日は、「車とちゃりんこ」旅日記、車の登場。
朝から激しい雨と、轟くような風の音で目を覚ました。
今日は久々の大学。春休みも終わり、早速講義が始まる。大学構内の桜も散り始め、散り急ぐ花びらの中、新入生と思しき男子学生の団体が、キャンパスの地図を眺めながらワイワイやっている。新しい生活に一歩踏み出し、開放感と緊張感が同居する彼らの顔はきらきらとまぶしいようだ。あんな気分はもう○十年前に味わったきりだよなぁ・・・などとどこかうらやましい思いを感じながら、教授の研究室に向かった。こちらも新学期初講義!新しい学生さんとも出会えるし・・・と思ったところが先生、ウイルス性の腸炎で気分がすぐれず、しかも今日の講義のことをすっかり忘れていたので休講にして下さい、とおっしゃる。

というわけで、昼前から思わぬ時間が空いてしまった。
そうこうしているうちに雨も上がり、風は強いが、青空も垣間見え、一気に気温も上がってきた。こりゃ、お花見に行くしかないでしょう。

午後からの予定もあるのであまり遠くには出かけられないが、一度行きたいと思っていた安来公園に寄ってみることにした。高速道路からチラリと見た公園の山肌が、ほんのりピンクに染まっていてきれいだったよ、と先週母が言っていたし。カーナビを合わせていざ出発。

この時期のドライブは楽しい。
普通に国道を走っていても、あちこちで桜が迎えてくれる。こんなところにも桜があったのか、と驚いてしまうほど、道端にも、家の垣根の向こうにも、ちょっとした川沿いにも、桜、桜のオンパレードである。小さな公園や、幼稚園、学校などには、お決まりと言っていいほど桜の木が植えてある。遠く眺める山々にも、薄いピンクが点在している。白髪みたいだな・・・といつも思うのだが、その白髪が、どこの山にも浮き上がって見える。本当に、日本には桜の木がたくさんある。

安来公園は、遠くから眺めてもその薄桃色の群れですぐにわかった。小高い丘陵に階段がしつらえてあり、ところどころに休憩所を設けてあるのだが、一面桜の海だ。もう散り初めではあったが、その花びらが小路に降り積もり、さながら雪の中を行くようであった。こんなに積もった花びらを見たのは初めてだ。上も下も、薄いピンクに染まっている。「すさまじい」という形容詞が、私の頭を横切った。

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吉野の桜をこよなく愛したある文人は、眼下に広がるその薄桃色の海を見て「吸い込まれて、帰れなくなりそうだ」と言ったという。なんとなく、その気持ちがわかる気がする。

f0106839_161545.jpg桜の下にたたずむ私の愛車。タイヤが花びらを踏みしめて、まさに「桜まみれ」。
表題の俳句は、良寛さん。私の好きな一句である。
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# by nasuka00 | 2006-04-11 16:05 | photos
今週は雨で自転車に乗れないので
天気予報どおり、今日は朝から雨。
そう思って、昨夜は車で帰宅した。
Yahooを見ると、せっかくの休みなのに明日も雨になってるし、今週はとにかくお天気が悪いようだ。ルイガノに片手傘差しで乗るのも×なので、しばらく自転車通勤はお休み。そういえば、先日のYahooニュースで、自転車による交通事故(歩行者とぶつかって、大怪我をさせるパターンが増えて来てるらしい)にも刑事罰を、ということになりそうだというのを読んだ。確かに、自分が歩行者の立場にある時に、すごく乱暴な自転車の運転(学生が多いのだが)に出会ってヒヤリとすることがある。夜間無灯火というのもよく見かける。自転車は公道でもどちらかというと歩行者扱いだし、自動車に比べると断然安全と思われがちだが、それでもスピードを上げて走って来る自転車にぶつかられたらたまらない。スピードで生み出されるエネルギーは凶器だから危険極まりない。雨の日、傘を差して片手運転の自転車は、車の立場から見てもとてもアブナイし。

そういうわけで、雨の日には基本的に自転車には乗らないことに決めている。それでも、やむをえない場合もあるだろうし、カッパはやっぱり必需品。これからの季節のちょっとした防寒のためにも、先日フード付きのジャケットを購入した。自転車用なので、色はちょっと派手目に・・・(笑)

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このきれいなブルーに惹かれてしまって思わず買ってしまった。襟元にはフードが格納されている。急な雨でもコレでOK。

f0106839_1511816.jpgついでに、雨とは逆の紫外線対策もと、ツバの広いキャップも購入。風で飛ばされないよう、帽子止めも必要かも。サングラスも欲しくて検討中。先日行ったお店で色々試してみたら、なんだかどれもキマリ過ぎててヤンキー風に見えてしまう・・・スポーツ用のサングラスは、紫外線や風をきっちりと避けるために、大きくてフレームもしっかりしたものが多い。ちょっといかつく見えるのは仕方ないかもしれないが、あまり「走るぞ~~」って感じもなぁ・・・と思って思案中。

完全に形から入ってる・・・まぁ、イメージトレーニングも大切だから。
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# by nasuka00 | 2006-04-10 15:17 | goods
自転車は、何故倒れずに走れるのか?
世の中の人で・・・少なくとも日本人の中においては、自転車に乗れない人、というのにはめったにお目にかかれないだろう。道行く人を眺めていても、田舎道ではそのほとんどが車、あるいは自転車に乗っているのが普通である(田舎では、徒歩の人は学校に向かう生徒たちか、会社の休憩にランチに来ている人たちか、飲み屋あたりをうろついてる人たちくらいしかいない)。徒歩で5分以上かかると「遠い」とみなされるので、普通車の運転免許、そして免許がなくて誰でも乗れる自転車というトランスポーテーションは、幼少の頃必ず親の責務として、あるいは子供の義務として教え覚えなければならない「たしなみ」なのである。小学校に上がる前の子供たちは、必ずと言っていいほど父親から自転車に乗る特訓を受け、高校を卒業すると同時にその春休み、あるいは夏休みは自動車教習所に通うことを義務付けられる。

四輪車というのは、アクセルとブレーキが踏めればとりあえず動く。倒れることもない。過去の交通手段だった馬も、仲良くなりさえすれば振り落とされずに走ることが出来る。しかし、自転車は、まず、「倒れずにまっすぐ走る」ことから始めなければならないのである。これがなかなか難しい。教える方も、後ろで自転車をまっすぐ立つように支えながら、「背筋を伸ばして!バランスとって!!ホラホラ!!」なんて声をかけるのだが、その「バランスを取る」というのが理屈ではなかなか説明できるものではなく、しかも一番のポイントとなるわけで、だから、自転車というのは、体で覚えるものなのである。幾度も転倒し、擦り傷と青あざに泣きながら、それでも起き上がり、泥まみれになって体得する技なのだ。自転車を練習したあのときほど、父が星一徹に見えたことはないだろう。私の記憶にも、父の怒鳴り声と、神社の参道と、夕焼けと、何故だか松の木の根っこがありありとよみがえってくる(転んだ時に目の前に根っこがあったのかも)。

しかし、いったん乗れるようになると、何故あんなに苦労したのか、もうすっかり忘れてしまう。補助輪つきの自転車だと、車輪が穴にはまったときなどに苦労するが、二輪車はとても快適だ。普通に乗っていて転ぶことなどまずありえない。
しかし、しかしですよ。
人が乗ってない自転車は、支えがないと倒れてしまうのである!でも、人が乗ってペダルを踏むとまっすぐ走る。しかも快適。これって、すごく不思議じゃないですか???

そう思って、早速ネットで検索。見つかりました。
asahi.comのこのページ
子供向けの科学を教える特集ページだが、それこそ子供でもわかるように説明してあるのでわかり易い。車輪の回転によって得られる「ジャイロ効果」というのがそのヒミツらしい。コマや十円玉が回転しながら立つのと同じ原理だ。自転車の場合は、これに「バランス」も加わる。幼い頃の特訓で体得した三半規管の学習が、自転車に乗るのを助けるのである。

そう考えると、自転車って、三位一体ならずも二位一体の乗り物なのだなぁ・・・と改めて感慨深く思える。人間の存在が加わって初めて完成するのが、自転車という乗り物なのだ。車はリモコンでも動くし、人馬一体といえども馬は人間なしでも勝手に走るんだし。

リモコンといえば、車も、ヘリコプターも、船も見たことがあるけど、自転車のリモコンってないなぁ・・・やっぱ、リモコンじゃ無理??(笑)
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# by nasuka00 | 2006-04-09 11:05 | bike
悩めるカーサイクリング
今日から自転車通勤を始めようと思う。
もちろん、雨の日と荷物の多い日は車にするけど(笑)
週に一度(あるかないか)の休日には学校に行かないといけないし、なかなかのんびりサイクリングができない。目標の「体を鍛える」ためには、日々乗った方がいいだろうし。そして、時間が取れたら長距離ライド。なるべく無理のないように、長く続けられる趣味にしたい。

自宅から自転車で出発して近場を散策するのも楽しいし、隣町まで足を延ばしてみるのもいいけど、やっぱり時々は知らない街や自然の中も走ってみたい。大規模自転車道なんてのも整備されてるようだし、そういう恩恵にもあずかってみたいではないか。

何年も前に、妹と一緒に奈良の明日香村に出かけた時、駅前でレンタサイクルを借り、そのママチャリで春のポタリングを楽しんだことがある。明日香村は、古代王朝の史跡や建造物が残り、「掘ったらすぐに遺跡が出てくる」と言われるだけあってやたらと建物を建てたり整地をしたりできないらしく、昔ながらののんびりした田園風景の広がる、サイクリングやウォーキングには天国のようなところである。半日かければ、主だった名所旧跡をぐるりと回ることができる。京都のように景観法が施行されているのか、高い建物もなく、ひたすら見晴らしがよい。低く連なる山々が田畑を囲み、盆地ならではの閉塞感のある、のっぺりとした、しかしどこか心が癒されるような清々しさのある風景だ。

洪水が起こったときに方向を変えたという伝説のある亀石を眺め、石舞台から酒船石を見て飛鳥寺方面へ向かい、その昔蘇我氏が住居にしていたという甘樫丘に登った。奈良の都が一望できる、小高い丘である。権勢を誇った蘇我氏は、この場所からあたかも宝石のような「自分の」都を常に目の中に入れておくことができるように、日々愛でて暮らしていたのだろう。中大兄皇子と藤原鎌足が蘇我入鹿を討ったという飛鳥板葺宮跡にも行ってみた。所々に石畳がしいてあるだけの、建物も何もないただの広場のような空間だが、この場所で、日本の未来を変える大クーデターが起こったと思うと、身震いするような気分に襲われた。もしかしたら、あの場所で入鹿が倒れ、その場におびただしい血が流れたのかもしれない・・・この土は、入鹿の無念をその流れた血と共に留めているのだ。私が今自転車のゴム製のタイヤで通ったこの場所を、この土の上を、古代の人々が歩いていた。今の私たちと変わらない日々の生活の営みをおくっていた・・・そう思うと、背中がゾクゾクする。私たちの命は、その営みを受けて続いているんだなぁ・・・。

というわけで、こういう日常とはちょっと離れた思いを味わうためにも、私愛用のミニバンにルイガノを積み、カーサイクリングを楽しみたいというのが今後の大きな目標である。が、そのためには自転車を車に載せなければならない。私の車は高さがあるので、立たせたまま充分積むことができるのだが、カーブや振動で自転車が倒れたり、また車が油などで汚されるのも避けたいわけだ。自転車を駐車しておくスタンドを買って、そこに車輪を載せて運ぶ、という手もある。しかし、強度に若干不安がある。やはり、こういうきちんとした車内積載用キャリアを導入した方がいいのだろうか・・・でも、コレって前輪を外さないといけないみたい・・・まず、ここからクリアしなければ。
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# by nasuka00 | 2006-04-06 11:30 | bike
桜を求めて長距離ライドデビュー
f0106839_17575321.jpg 午後遅くから雨になるという予報だったので、仕事は休みだけど早起きしてサイクリングに出かけることにした。愛車ルイガノとの、初遠乗りである。理屈を知ったばかりのギアチェンジにも不安があるし、連続走行したときの自分の姿勢や疲れ具合もチェックしたい。そう思って、選んだのは11キロほど山に向かって進んだところにある桜の名所であった。初挑戦には手ごろな距離だろう。高校のとき、ここから自転車で通って来る友人がいたが、片道50分ほどかかると言っていたのを思い出す。事前の調査では、桜並木は「咲き始め」だという。先日送られた来たばかりのTimbuk2のバックパックに、デジカメ、iPod shaffle、ちょっとした携帯食、そしてペットボトルのお茶を詰めいざ出発。

 川沿いの土手を行くルートもあると思ったが、往路を迷いたくないので、いつも車で通る国道を選んだ。片側一車線の狭い国道だが、通勤ラッシュでもない限り、車の数もさほど多くはない。路線バスも、1時間に一本しか通らないような道だ。しばらく進むと歩道も整備してあって、歩行者にも自転車にもめったにお目にかかることなく快適に走ることが出来た。車では通りなれた道だが、スローな自転車を交通手段として選ぶと、風景が違って見えるから不思議だ。車では見ないようなところに目が行くからだろうか・・・。スピードが違うと、注意の視点も違ってくる。車だと、路肩を進む歩行者やバイクなどに目をやるし、前の車との車間にも気を配らなければならない。時速50キロは、何よりも安全を優先する視点だ。これが自転車でせいぜい15キロほどの世界になると、なんとなく脇見が可能になる。気をつけなければならないのはほぼ自動車だけ。横を過ぎる家々の門の中まで目が届くようになり、おや、キャベツが植えてある!家庭菜園??こっちの家の梅の木はみごとだなぁ・・・おばちゃんたち、楽しそうに井戸端会議してるねぇ・・・などなど、人々の日常に注意が向くのである。山に向かって走るので、ちょっとしたヒルクラム気分も味わうことができ、その後のダウンヒルではその気持ちのよかったこと。車のようにエンジンブレーキが効かないのが多少不安ではあったけど(笑)


f0106839_2227472.jpg  30分も走ると、そろそろ目的地付近に出た。橋を渡って、ここからは土手の道だ。車がすれ違うことが出来ないほどの狭い道だが、この道に沿っていくと、例の桜並木に出る。5分も行かないうちに、うっすらピンクに染まった桜の木々が見えてきた。右手には川が流れる。その遠くには深い緑に覆われた山々が見える。その稜線の下に、子どもが遊んだブロックさながら家々の屋根が散らばる。典型的な日本の農村の風景である。先ほど通ってきた国道は、この土手からは数ブロック先に走っているので、車の音はほとんど聴こえてこない。時折小さなダム様の段差が造ってある川の、その滝になっている場所で激しくなる水の音と、のどかな鶯の声だけが耳に心地よく届く。桜祭りを開催しているとは言え、確かにまだまだ咲き揃わず、しかも平日だと言うことであれば、ほとんど人の往来もない。スケッチブックも持ってくるべきだったなぁ・・・と、ちょっと後悔した。

 自転車のいいところは、いつでも好きなときに停車することができ、速度も風景に合わせてのんびりと切り替えることが簡単な点だ。美しく開いた花を見かけると自転車を止め、デジカメを取り出して撮影する。川の流れに桜が映える気持ちのいい場所では、速度を緩め、その風情を左右存分に眺めながらゆったりと走る。なんだか、人生ってゆとりと脇見が必要なんだなぁ、とわけもなく思った。ゴール地点を目指してカーナビをセットして、一生懸命走っているかのような私たちの毎日。壁にぶつからないよう、交差点を間違えないよう、そして、歩行者を巻き添えにしないようそれだけに気を配りながらひたすら走っていく。確かに、当たり障りなく、事故を起こさず過ごせたとしても、ちょっとした日常の中にあるたわいのない会話や、目を向ければ広がっている美しい風景に気付かずに過ごしてるんじゃないかって、ちょっと考えてしまう。ペダルを踏みながら、こんな雑念に思いをめぐらせることができるのも、スローで自由な自転車の醍醐味なのかもしれない。

 大きな、何か工場のような建物の横を通ったときに、なんだか懐かしい香りが漂ってきた。甘ったるい、シロップを思わせるような濃厚なバニラ系の香り・・・昔、これと同じ香りをよくかいだものだが、一体なんだったんだろう???思い出せないことに歯がゆさを感じながら通り過ぎると、川沿いの土手を降りたところに、ちょっとした河川敷の遊技場があった。初老のご夫婦が、階段に腰掛けてお弁当を広げている。平日だし、春休みだし、河川敷には誰もいないのだが、話をするでもなく寄り添って座っているその二人の背中を見ていると、ふと、目の前で繰り広げられる少年野球の光景が思い浮かんでくるようだった。それほど、二人はその景色になじみ、自然であった。ベビーカーを押してゆっくり歩く女性、土手下の畑で仕事に精を出す老夫婦・・・皆急がず、でも確実にそこにいる。
少しピンクに色付いた桜の土手の、スローな時間。

 並木道を端まで走り、方向転換して、もと来た道をゆっくりと引き返した。逆から見ると、また違う景色が広がっている。
 車や三輪車と違い、二輪車であるオートバイや自転車はバックができない。逆方向に進むためには、頭を180℃方向転換させ、ペダルを踏まなくてはならない。そんなシーンも、不可逆的な人生と似ているかもしれない。後戻りしているようでも、それは前進に他ならない。同じ景色の中を走ることはない。また、先ほどかいだ匂いが漂ってきた。あ、そうだ!この匂い・・・今度はわかった。粉で作るインスタントのプリンだ。牛乳と混ぜて、冷蔵庫で冷やして固める、あれ。ボールの中で混ぜるとき、この香りがするのだ。子どもの頃よく作った、あのカラメルの香り・・・。

f0106839_17585594.jpg 帰り道は、川沿いの土手を選んだ。この川に沿っていくと、私の家よりちょっと東側のあたりに出る。国道よりも距離があるけど、ゆっくり走れそうだからこっちの方がよさそうだ。土手に出ると、すぐに目の前が開け、右手に雄大な大山が見えてきた。まっすぐ伸びる川を眺めながら走るのは最高に気持ちがいい。自動車道と重なる場所にも、かなり広い歩道が造ってあって快適に走ることができる。ここからは、ちょっとスピードを上げてみよう。でも、時々お犬さまの落し物が転がっているので、足元には充分ご注意を!!(飼い主よ、ルールはきちんと守りタマエ) 時折、スポーツバイクに乗ったサイクリストとすれ違ったが、皆エイリアンのようなヘルメットをきちんとかぶり、動きやすそうなフィットネスタイプのジャージを着て颯爽と走っている。某コラムニストによる本には、こういう具合にサイクリスト同士がすれ違うとき、挨拶を交わしたり、時間があればどちらからともなく自転車を止めて、お互いの旅について情報交換したりするらしいが、本格的サイクリストたちはチラッとこちらを見るものの、ん??という顔をして走り去ってしまう。ジーンズの上にベージュのベネトン製トレンチコートを羽織り、黒いバックパックを背負ってクロスバイクに乗る私など、彼らの目には不届き千万に映るだろう。長距離を走ると、やはりお尻が痛い。長距離ライドに慣れていないせいで、お尻の皮が薄いのかもしれない。パッド入りの下着の必要性がわかったような気がする。サドルも、私のオシリに合わせるならもう少々広めの方がよさそうだ。こうやって乗りながら、段々と自分に合った自転車ライドのスタイルを作り上げることが出来るのだろう。
 
 本格的サイクリストへの道は、まだまだ険しいのであった。
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# by nasuka00 | 2006-04-05 18:02 | essay



なかなか旅に出られませんが、旅行に行ったつもりで一筆。
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